組織委員長挨拶

大会組織委員会委員長 
伊坂忠夫 (立命館大学)

第24回日本バイオメカニクス学会大会
『未来のバイオメカニクスを解く』
開催にあたって

 第24回日本バイオメカニクス学会大会を、立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)にて、2016年9月12日〜9月14日の3日間、開催する運びとなりました。バイオメカニクスの分野ならびに関連分野の研究者ならびに学生の皆さんが、一同に介して研究成果を持ち寄り、議論し、新しい知見の共有とさらなる研究発展のきっかけとなる大会になるように、大会関係者一同心より願っております。

 本大会では『未来のバイオメカニクスを解く』を大会テーマに掲げ、一般研究発表、基調講演、シンポジウム、アワード報告などを企画させていただきました。誰もが未来を予想し、イメージすることはできますが、未来は必ずしもその予想通りにはなりません。ただし、これまでの歴史を眺めてみたとき、「イメージできたこと」を創造し実現してきたのが人類です。その代表例がテクノロジーの進歩・進化であるといえます。そして、そのテクノロジーの進歩・進化が、より急速になってきていることは誰もが感じているところです。アポロ11号が月面着陸したのは1969年ですが、そのときの制御に使われたコンピュータの性能、容量よりも、いま皆さんが使っているスマートフォンの方が遙かに凌駕しています。テクノロジーの発展の底流には、より良い生活を手に入れたい、もっと便利に、という人々のニーズがあります。さらに、現代はニーズを超えたハイスペックなテクノロジーが溢れる時代です。そのような時代において、人間の営み、社会行動、法律、制度などは影響をうけ、その影響は今後ますます強くなると予想されます。

 我々が研究対象とするスポーツ動作、日常生活動作、トレーニング、健康づくりは、すべて人間が対象であり、このバイオメカニクス研究においても、関連するテクノロジーはさらに急速に進み、これまでには困難であったデータ取得、解析が格段に進むようになります。そのような研究環境の発展は「何をリサーチクエスチョンとして設定し、解くのか?」という研究の本質に今一度立ち返ることを求めます。しかも、身の回りには予想もしない性能をもったテクノロジーがあり、その潜在力が発揮されるのを待っている状況にあります。このような中で、『未来のバイオメカニクス』の研究方向はどのようになるのか、どのようなことが可能になるのか、明らかにすべき未来の課題は何かを、この機会に議論できる大会となることを願っています。

 もちろん、未来は不確実です。誰も正確な予想は困難であり、論理的には『未来のバイオメカニクスを解く』ためには膨大な未知数、予測不能の項を含んだ式を解くことが求められ、正確な未来像を描ききることはできないことになります。ただ、人類ならびに研究の発展は、明確なビジョンとそこへ向けての行動によって積み上げられてきました。このことより未来に解決すべきバイオメカニクス研究をそれぞれが設定し、それぞれの『未来のバイオメカニクスについてビジョン』を持ちより、語り、議論し、洗練し、共有する学会大会になることを心から願って、大会テーマとさせてもらいました。未来のバイオメカニクスを希求する、あるいは貢献する皆様にご参集いただき、未来の担い手である若手研究者、長年この分野を支えていただいている研究者が、縦横無尽に交流し、大会テーマに導かれるような議論のうねりが生じることを心より願っております。

 最後になりましたが、本学会大会開催にあたりまして多くの方々にご協力・ご支援をいただいております。この学会大会の母体であります日本バイオメカニクス学会の会長、理事長をはじめとする各委員の先生方、ならびに2年前より大会準備にご尽力いただいた実行委員会の先生方、ご協賛いただきました企業の方々、本学関係者などを含めまして多くのご支援とご協力をいただいております。ここに改めて感謝申し上げます。

 知的興奮の渦巻く3日間になりますよう心より祈念し、挨拶の言葉とさせていただきます。